圭さん日記

放送作家・脚本家、高坂圭のブログ。

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覚悟の一冊、「あちらにいる鬼」

他のアーティストにはない、小説家だけの
凄みがあるとしたら、それは
己を、身内を、とことん切り刻み
恥も外聞もさらけだすこと。

 

またそんなことが出来る作家が、本当の
小説家ともいえる。
先日読み終えた井上荒野の新作は、作家が
全身で書いた一冊だ。

どんな小説なのか、
それは帯のコピーを読めばわかる。

 

「作者の父井上光晴と、私の不倫が始まった時、
 作者はまだ五歳だった」
 瀬戸内寂聴

 

二人をモデルに小説を書く娘もすごいし、
それを絶賛する寂聴もすごい。

そして何よりすごいのは、この小説が
素晴らしいということです。

文章の一節を紹介します。
主人公の名前は白木篤郎。

 

 篤郎のために自殺未遂をし、あげく体を
壊して死んでしまっても、篤郎はもう女との
記憶さえすっかり手放してしまったかのようだ。
そんな男を、どうして彼女は愛してしまったの
だろう。
 眠りに落ちながら、私はまだ考えている。
 愛が、人に正しいことだけをさせるものであ
ればいいのに。それとも自分ではどうしようも
なくなった間違った道を歩くしかなくなったと
き、私たちは愛という言葉を持ち出すのか。

 

「あちらにいる鬼」
 名作です。

 

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