圭さん日記

放送作家・脚本家、高坂圭のブログ。

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高峰秀子さんに、震える

彼女の自伝、「私の渡世日記」を
読んだ時も、その客観性と大女優で
ありながらフツーの人が一番偉いと
心底思っている感性に感動したけど、
「高峰秀子の流儀」にも感服。
 

助監督だった松山善三と結婚したとき、
年収が二桁は違う高峰秀子は、夫が劣等感を
抱かないように、「朝から晩まで考えてた」。
 

結婚した当時お手伝いが3人いたが、食事のときに
高峰に先に出す。これまでの習慣だからだ。
御用聞きも、「うちは今日から松山です」と言っても
高峰さんといって入ってくる。
「だからしまいに、全部とっ換えちゃったの。魚屋、
八百屋、酒屋……御用聞きさん全部」
 

仕事も徐々に減らしていった。
「女優なんてものは若い時はいいけど、すぐにおバア
さんになります。今は私が稼いでいるけど、いつか
あなたが私を養ってください」
そして彼女は、55歳で引退する。
松山氏が売れっ子になったからだ。
 

彼も素敵だ。
氏が抱いていたものは、劣等感ではなく
「この人に見合う男になりたい」、その思いだけ
だった。
松山氏は言う。
「全ての点で高峰は僕より優れています」
 

しかし「全ての点」は違う。と筆者の斎藤明美さんは
書いている。
高峰は5歳から子役として働いているから、学校教育を
受けていない。
だから足し算はできても、引き算や割り算はできなかった。
 

新婚の頃、高峰はやたらと新聞や雑誌をひっくり返して
何かを探していた。
松山が不思議に思い「何をしてるの」と尋ねると、
妻は答えた。
「字を探しているの」
聞くと、31歳の妻は辞書の引き方を知らず、読めない字が
ある時は、別の媒体でその同じ字を探して、読み方を
知ろうとしていたのだ。
「とうちゃんが、中学時代に使ってた辞書をくれたの。
それで引き方を覚えたのよ」
 

53年の結婚生活を振り返って思うことは?と
別々の場所で夫妻に聞くと、
夫「高峰に恩返しはできただろうか。いや……」
妻「私は松山に何をしてあげられたかしらと考えた時、
何もないの。せいぜい私が一度も寝付かなかったこと
ぐらい」
 

いやー、見事です。

 

 

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